第二十九回(煉瓦)

第二十九回(煉瓦)

アーサー王のオセロット城

母親が煉瓦を買った。アーサー王の城、オセロットに使われていた煉瓦だそうだ。次の日、学校で俺は間抜けの息子になっていた。 「お前の母ちゃん、詐欺られたんだって? 笑えるよなマジで」 昨日は一緒に相席食堂について笑いあっていた友達が、自分の家庭...
第二十九回(煉瓦)

”アイツ“とボク

ボクはアイツを殴った。レンガで、思いっきり。ほんの少し前まで生きていたものが今、目の前で死に絶えようとしている。アイツの血がこびりついたレンガは夕陽に照らされながら地面に横たわっている。血は思ったよりも暗い色だ。鮮血という言葉があるくらいだ...
第二十九回(煉瓦)

レンガの裏には

元はオレンジ色だったであろうレンガは、土に塗れて雨に打たれて黒く煤けていた。なんだかんだ言ってもウチの両親も通っていたのだから年季のある学校だ。運動場の端にある花壇と目を合わせてしゃがみながら、そんなことを考える。校舎にくっついてる時計を振...