第三十回(クリスマス)

第三十回(クリスマス)

シュトーレン・オア・ダイ

今日はクリスマス。世界中に愛があふれ、街は5割増しで輝きを放ち、街路樹ですらキラキラと着飾る夜。そんな日に私は、スーツのままソファーに倒れ掛かっている。仕事柄年末が忙しいのは仕方ないが今日で11連勤、1日ぶり7回目の終電での帰宅だ。さすがに...
第三十回(クリスマス)

サンタの子

サンタが父親だというのを知ったのは俺が18になって、大学に伴い一人暮らしを始めるとなった時だった。あの日、その瞬間まで俺は純真無垢なガキだったのである。俺の父はロクでもない奴で、俺が小学校から帰った時はパチンコに行っていて、俺が部活終わりに...
第三十回(クリスマス)

宅飲み

クリスマスイブの夜に大輝と僕は、僕たち2人にとっての最寄り駅の改札の前まで来ていた。小さな駅なので改札の外はそのまま野外で、刺すような寒さから逃れるすべは無かった。雪は降っていなかったけれど、冷たい風が頬を痛めた。ここに来たのは僕の家がどこ...
第三十回(クリスマス)

闇路の不通

聖夜のカウントダウンも遂に残り1日を切った。厳寒の本格化にともない穴籠もりを決め込むのが生き物の沙汰である───が、そんな闇夜にも暗躍する者が存在する。 雪深い森───町近辺の〈神秘の森〉の最奥に、その者は居た。厚い赤衣を纏い、大きな袋を背...
第三十回(クリスマス)

陰謀論ゲーム

万物を陰謀論にこじつける。つまらなかったり真実を話してしまったりした方が負けである。 クリスマスイブの昼、私の家でルドルフはこんなゲームを提案した。 ルドルフはピザにオリーブオイルを垂らして話し始めた。 「このオリーブオイルはエクストラバー...