ウミガメのスープ2 革靴編 part1

「きょうはちょうしがええき、かつお、こじゃんととれるぜよ!」

漁師の一人がおもむろにそう声をあげた。漁師たちを乗せた漁船は土佐湾の黒潮を航走し、漁船の近くには海鳥の群れが飛んでいた。それはすなわち、ここにカツオの群れがいるということを意味している。実際、この日の釣果には目を見張るものがあった。いつもなら一日かけて30tのカツオを獲るのだが、今日はすでにそれ以上の釣果がでている。

男も、ほかの漁師たちと同様に、ひっきりなしにかかるカツオを次から次へと釣り上げていた。しかし、男の表情はどこかさえなかった。その後も大漁が続き、これ以上釣りあげても抱えきれないのでそろそろ引き上げようかとなったその時、男の手に軽い感触が伝わってきた。勢いのまま釣り上げると、革靴だった。返しがついていない針は簡単に革靴から外れそしてそれを漁師合羽の内側にしまい込んだ。

 

男はカツオ漁の途中に革靴を釣り上げてそれをもって帰った。一体、なぜ?

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