マンションの一室、段ボール箱がいくつも積まれている
ある程度の家具の配置は完了しているようだ
玄関の方から智也が戻ってくる
智也「んあ~。やっと終わった~」
飛びつくようにソファに寝転がる
智也「あぁもう動きたくない。でもやることいっぱいだよぉ」
飛び込んだソファの上で仰向けになる
智也「市役所に転居届出さないとだし、住所登録を変えないとだし、荷ほどきしないとだし・・・うう、荷ほどき、考えただけで頭痛が・・・」
積まれた段ボールをちらっと見る
・・・見なかったことにしよう
智也「・・・そもそも荷解きをする意味ってなんだ。新居に持ってきた細々とした物をすぐに使えるようにするためだろ。でも俺はいまそれを必要としていない。つまり荷解きをする必要はない。うんそうだそうに違いない。よし、気が楽になった」
ソファに普通に座る
智也「ああ、そういえば、引っ越し終わったら連絡しろって言われてたっけ」
スマホを取り出す
智也「えっと、カメラカメラ・・・」
部屋全体が入るように写真を撮る
智也「よし、えーっと、『ちゃんと終わったよ』、と。よしオッケー」
ベッドの上に滑り込む
智也「まだ日も沈んでないけど、なんかめっちゃ疲れた・・・。もう寝よ。おやすみ!」
寝る体制に入る
智也「・・・誰に言ってんだろ。一人しかいないのに」
無事就寝
数日後、少しは段ボールが減っている部屋
スーツに身を包んだ智也が帰宅
智也「ただいま―― って、誰もいないんだった」
スーツを脱ぎ捨てる
智也「スーツってば暑苦しくて仕方ない。もっと気楽にいきたいなーなんて。」
投げ飛ばしたスーツを回収する
智也「このスーツ、就活用に残した方がいいのかな」
検索中・・・
智也「ふむ・・・置いといたほうがいいみたい。てか、リクルートスーツとビジネススーツってなんだよ。どっちもスーツじゃないのかよ。なんで分けないといけないんだ」
スーツを丁寧に片付ける
・・・直視したくない現実を見つめる
智也「・・・荷解き、いい加減終わらせないと、か。あー、やだなーめんどくせー」
ベッドに飛び込む
智也「でも毎日段ボールを見続けるのもなかなかきついな・・・。やるかー。あ、でもまずは着替えるか」
普段着に着替える
智也「・・・ふううぅ。対戦、お願いします」
ついに強敵に立ち向かう
1つ、また1つと段ボールを片付けていく。何度か辞めたくなりながら
数時間後、多分夕方くらい
智也「んああぁー!やっと終わったー長かったよー」
床に寝転がる
智也「詰めるのは簡単なのに出すのは何でこんなに難しいんだろ。ふつう逆じゃない?」
スマホを見る
智也「げっ、もう5時じゃん。結構時間かかってたんだなあ。やっぱ荷解きなんてするもんじゃないな。そりゃ、ずっとしないってわけにはいかないのはわかってるよ?」
天井を見つめる
智也「・・・誰に話してんだろ、俺」
窓際に行って外を見る
智也「みんな、今頃何してんだろ」
窓と反対に向き直る
智也「・・・ははっ、ホームシックってやつ?・・・ダメダメ、来週から授業始まるし、しっかりしないと」
数日後、恐らく十日以上は経過しているだろう
夕暮れの時間
智也「ただいま~疲れた~」
リュックをベッドの上に投げる
智也「1限は滅ぼすべきだってほんと。電車通学のやつにも1限とか正気じゃないって」
ベッドになだれ込む
智也「・・・俺しかいないってこと、いっつも忘れちゃうな。独り言って案外楽しかったんだな」
おなかが鳴る
智也「腹減った・・・飯まだ―― って、親、いないんだった。なんか食べられるものあったかな」
冷蔵庫を物色しに行く
・・・成果は芳しくなかったようです
智也「・・・ただ待ってるだけで飯が出てくるって、当たり前だと思ってたけど、こんなにもありがたいものだったとは・・・」
スマホを見る
智也「Uber でもしてみる・・・?うーん、どれも微妙に高え。・・・まあいいや、やっちゃえ!」
何かをぽちった
ソファにドカッと座る
智也「出前ってだけで、いつもはワクワクしてたんだけどな・・・ゲームでもするかな」
スマホゲームを始めようとする・・・が、やめる
智也「ちょっとくらい勉強しとくかー。モチベ下がってくのは目に見えてるし」
授業の復習をしようとするが、どうにも身が入らない
智也「うう、やる気がわかない・・・。何もしたくない感がヤバい」
ベッドにダイブ
智也「あー、何もしたくねえー。でも暇だー」
枕に顔をうずめる
智也「・・・何がしたいんだろ」
虚無タイムが流れる
インターフォンが鳴る
智也「あ、来た」
智也「たまにはこれもいいな」
某黄色いM の店のバーガーとドリンクを味わう(執筆当時の気分です)
スマホを見ながら堪能する
智也「うまっ。久々に食ったかも」
智也「自炊した方が安いって思ってたけど、案外そうでもないかもな」
ツイッター周遊中
智也「・・・みんな、なんていうか、キラキラしてるな。旅行だったたり、留学だったり、部活だったり、何かに打ち込めるっていいよな。俺の趣味って言ったら、SNS 見るくらいしか・・・。ほんと、つまんない趣味」
某M を食べ進める
智也「趣味、探した方がいいのかなあ」
―数日後
智也「げほっ、ごほっ、ごへっ」
体温計の計測が終わる
智也「うう、38 度4 分。ちゃんと熱だな。こうなるってわかってたら風邪薬とか買ったのに・・・」
窓から外を見たり、スマホを見たり・・・
智也「買いに行こうかなあ、でも病人が外出るの迷惑だよなあ。でも飲んだ方が治り早いよなあ」
智也「・・・一人暮らしって難しいな。げほっ」
何かの荷物が届く
智也「ん・・?何。ごほっ、ごほっ。・・・出た方がいいかな」
なんとか受け取れた
智也「げほっ、げほっ。・・・なんか頼んでたっけな。差出人は・・・ん?」
荷物を開封する
手紙が発掘される
智也「・・・げほっ。・・・お母さん」
手紙を大事そうにテーブルに置く
同封されていた風邪薬を飲む
智也「人の温かみって、こういうのを言うのかな。げほっ」
ベッドでもうひと眠りしようとする
智也「げほっ、ごほっ。そうだ」
電話を掛ける
智也「――― もしもし、海?ちょっと、声聞きたくなってさ。うん。・・・そんなこと言うな―― ごほっ、ごほっ。・・・大丈夫、これくらいすぐ治るって。・・・うん。・・・うん、大丈夫だって。お前こそ、あんまり無茶すんなよ。・・・うん、ありがと。・・・夏休みになったら、お前の騒がしい顔を拝みに行ってやるよ。・・・ははは、げほっ、ごほっ。・・・だから大丈夫だって。・・・お前も、元気でな。・・・うん、じゃあまた。・・・うん、うん。バイバイ。」
電話を切る
智也「・・・ちょっと、元気出た。明日からがんばろ」
智也「でも、まずは風邪を治してからだな 」
