第五回(雪) 悪意 震える体、その危険信号を無視して女は歩き続ける。吹雪で視界は悪い。柔らかく誰にも汚されていない雪は脚を疲労させるだけだ。これはそんな、出口の無い永遠のような吹雪の中の話。 「いってきまーす!」ハツラツとした声と共に少し萎びたランドセルが夏の... 2024.02.04 第五回(雪)
第三回(餅) 餅も知も地も血も 「悪かねぇな、終わった地球の景色も」 「バカを言うなよ、餅が流れる海だぜ」 海だった場所が餅で溢れていて、その上を船で進む。世界は俺と目の前のアホンダラだけ、見飽きた悪友の顔か餅かのふたつの選択肢しかない景色にうんざりする。 からからと音... 2024.02.04 第三回(餅)
第二回(海) 海の味覚と外なる神 「海ってみかくがあるんだよ!」 少女は海の好物を教えてくれた。たこさんウインナーと甘い玉子焼きらしい。 それは君が好きな食べ物だろう、という言葉を俺は飲み込む。 夏らしいワンピースを着た少女、九歳ぐらいだろうか、娘がもし居たら同じくらいの... 2024.02.04 第二回(海)