夢の話だ。
意識ができた時には自分は落ちていた。どこを落ちているかは分からなかった。空ではなかったと思うし、地中でもなかった気がする。多分、風呂屋の煙突のようなところだったと思う。うん、都合がいいので風呂屋の煙突を落ちていたことにする。
着の身着のまま、と言っても実際寝ている自分は寝間着だったわけだが、普段着のまま落ちていた。靴は履いていたと思う。ぼんやりとした落下感でなく、死ぬという未来が三秒後にあるような背筋にビリビリ来る浮遊感だ。
周りを見渡してみても特にこれと言ったものは落ちていなかった。(見渡せるほどの大きさのある筒だった。大きな湯屋なのだろう)きちんと上下も確認したが、こんな穴に落ちているあほちくりんは自分一人だけらしかった。
突然、声がした。
「昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました、おじいさんは山へ……」
分からないが、多分桃太郎だと思う。ここから桃太郎以外に派生する昔話などおそらく無数にあるとは思うのだが、自分のちっぽけな脳みそがそんなアングラなおとぎ話を知っているわけはないし、ましてオリジナルの昔を作るほどの無教養でもなく、80%で桃太郎で間違いはないのだろう。
とにかく、現在落下中である筒全体に響くような声で桃太郎の朗読が始まった。足の指の間がくすぐったくなる緊張感を浴びながら聞くそれは全く違う味がした。いや、やっぱりそんなわけはないか。多分桃太郎ではなかったのだろう。味付けが普段の味塩味からコンソメ味に変わることなどあるわけがないのだから……。
ここで目が覚めた、夢の話である。
さて、本題はここからだ。今から夢診断をする。
まず落下である。これは転落や失墜を表す凶夢である。高いところから落ちる夢であるので、筆者がプレッシャーを感じていることが分かる。
次に風呂屋である。風呂屋といっても今回筆者は風呂に入ったわけではない。煙突を落ちただけなのだ。これは運気の停滞を表すらしい。だいたい煙突を落ちる夢を銭湯に入れないの一口で片付けていいのかは疑問ではある。
昔話の夢は自分自身の歴史を表すらしい。検索したが殆ど夢に関する昔話がヒットしてロクな結果が得られなかったのでこれに関してはふんわりで許していただきたい。
最後にポテトチップスについてである。これは加工食品であり、「不健康」や「不自然」を表すという。まぁあんまり良いイメージをポテトチップスに持てというのも不自然な話ではあるか。
ん?
え?
ちょっと待って?
悪夢すぎない???
ほぼ全条件が悪夢なんだけど?????
終わり
