最終回

「これでおしまいだ。」

目の前で博士がそう言っているのを、僕は地面に横たわりながら聞いていた。目線の先には、同じく床に倒れ伏している仲間たちの様子が見えた。タロンのバッテリチャージャーはいつもの青色ではなく、血みたいな赤色になって、東口さんのピカピカだったメカアームからも、絶えず火花が散っていた。

「諸君らが今までやってきていたヒーローごっこは無駄だった、というわけだ。私がやっているのは学校のテストではないんだ。難易度調整も、解答も用意されてはいない。」

博士はメガネを外し、傍に置いてある機械の一部の上に置いた。そして僕たちの様子をひとりずつじっくり舐めるように見た。その様子は、4月の初めに僕が初めて博士を見た時とそっくりだった。生徒のことをただの肉人形として見る目、根本的に同じレベルの生き物として思っていない目は、今日までずっと変わらなかったというわけだ。

「……まだだ、俺たちはまだ負けてない!」

背後から立ち上がる音が聞こえる、チームのナンバー2であるダイの声もする。

「俺たちは絶対にくじけない、お前を倒すために、何度でも立ち上がるんだ!」

ダイは叫ぶように言って、腕の改造レーザーピストルから光弾を射出した。放たれた弾は芸術的な軌道を描き、博士の眉間目掛け突き刺さる。当たった!と目を見開いた直後に、天を切り裂くような轟音が響く。ダイのレーザーピストルは弾を超高速まで加速してから打ち込むので、音がついてくるのが遅れてしまうのだ。博士がいた場所一帯が、土煙で靄がかったようになった。

「ざまぁ、みやがれってんだ……」

背後からドサッと人が倒れる音がする。ダイも最後の力を振り絞っての攻撃だったのだ。しかし、いまだかつて彼の攻撃を受けて立ち上がった奴はいない。

「ふふふ、改造レーザーピストルとは。いかんねぇ、違法だろうそれは」

しかし、いまだ消えぬ煙幕の中から聞こえたのは、余裕に満ちた博士の声だった。

「君らはいつだって私の言うことなんて聞いちゃいないんだろう。いつか授業で言ったよな、振り返るべきは師の言葉だと。君らはこの土壇場においても私の忠告を聞いていなかったのか。あるいは、聞いてはいたがそんなのはどうでもいい、無視してしまおうと思ったのか。いずれにしろ悲しいよ。」

埃が落ち着き始め、博士の姿が明らかになっていく。目を凝らせば、彼の数センチ周辺に、纏うように薄緑色のオーラのようなものが出ているのがわかる。それはたまに博士の上に降りかかる埃に触れるたび、ジュワッという音を立てて融解させていた。

「私はこの熱融解ローブ発生装置を身に着けている限り、君たちは私に指一本振れることはできない。そして私が君たちに触れようとすれば、それはすなわち君らの死を現す。言い忘れていたかわからないが、この装置のバッテリーはあと2万年程度なら優に持つだろう。」

博士は赤ん坊に説明するようにゆっくりと、僕らに詰みを教え込んだ。そして一歩、また一歩と倒れている僕たちの方へと歩いてくる。

「そろそろおしまいにしよう。実を言うとね、もう飽きたんだ。」

博士が僕に向かって手を伸ばす。僕の眼前に、無機質な薄緑色が広がる。嫌、嫌だ。こんな終わり方は、絶対に嫌なんだ。

 

さて、画面の前の君。君だよ、ハムタラ小説祭を見ている君!

この続きを書いて、この物語をハッピーエンドにしてみない?

バッドエンドが好きっていう子はひとまずその気持ちを置いといてもらって。

今回伝えたいのは、夢は叶うっていうことと何事もあきらめないことが大事っていうこととハムタラ小説祭はまだ死んでないっていうこと。

昔、中学生の時とかに「山月記の続きを書いてみろ」みたいな課題が出された時あったでしょ? 小説って、そうなんだ。何やってもいいんだよ、ホントに。李徴を宇宙に飛ばしたっていいし、ギャルにしたっていい、人間に戻してやるってのも、一つの案だと思う。要はイマジネーションなんだ。そして、そんなイマジネーションをハムタラ小説祭は今、必要としている。

だから画面の前の君、小説を書いてみないか?

 

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